「架空電車」の第6回は、南海「サザン」用特急車です。今秋登場予定の南海12000系のスタイリングを、ウスラウサギ製作所が任されたなら、こうするぞというところを画にしてみました。
南海車両の顔というと、関西私鉄にしてはめずらしく、前照灯を前面窓下に配置した、表情のある顔が特徴だったのですが、2008年登場の8000系では、前照灯を貫通扉の上に持っていって、前面窓の下には無表情な標識灯だけになってしまい、個人的には残念に思っています。今回の12000系も、公表されたパースでは、標識灯の形状に斬新さが見られるものの、やはり無表情なものです。
そこでまず、標識灯の形状に丸みを与え、二つの部分に別け、ややつり上がったケースに納めました。また、位置をぐっと下げて、キリッとした表情を与えています。なお、内側灰色の部分が後部標識灯です。
帯は、10000系の現行塗色と近い形で、ゆるやかな弧を描いて側面につなげ、すっきりした形にしました。
スカートの色もグレーの方が落ちつくので、グレーにしました。
電気連結器の色は黒くして、目立たなくしました。
前面の行先表示装置は中央に持ってきて、代わりに前照灯はHID灯とし、コーナーに配しました。また、車両番号を向かって右側の前面窓内側に記し、バランスを取っています。
今回のデザインスタディは、なかなかよい表情にたどり着けず苦労しました。標識灯と貫通扉+幌枠+渡り板+渡り板が出す影とのバランスが取れず、また、連結器高さ820mmというのも表情を締まりないものにする原因で、下図のように標識灯を横に配列したものでは、行きづまってしまいました。そこで、上図のように、近鉄次世代ビスタカーのスタイリングでも使った手法で、縦気味の標識灯にしてみたのですが、いささか消化不良です。
南海サザン用特急車デザインスタディ2につづく。
【注意事項】
- 実在の鉄道事業者様、関連企業様とは一切関係ございません。ただの妄想です。
- パースのディテールは相当省略してますが、気にしないでください。
【参考資料】
- 鉄道ピクトリアル2008年8月臨時増刊号
- レイル・マガジン2008年4月号
- 編集長啓白 南海8000系登場。
http://rail.hobidas.com/blog/natori09/archives/2008/02/8000.html - 南海電鉄 新型特急「サザン」12000系を導入します
http://www.nankai.co.jp/company/news/pdf/110117.pdf
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