【架空電車】近鉄次世代アーバンライナーデザインスタディ5

 前回に引きつづき、軸重の話です。60000系「アーバンライナー・アドバンス」は、曲線通過性能を上げたい→まずは低重心化→だったら空調装置を床下に収納したい→じゃあ艤装スペースを増やすために連接構造を採用→でも軸重が重くて軌道破壊がやばそう→軸重どれぐらいになりそうか計算→最大軸重14.3t……というのが、前回までのあらすじです。今回めざすのは当然、軸重の軽減です。

 軸重を軽くするためには、1車体の長さを短くして台車の数を増やすことや、3軸台車の採用といった方向も、一瞬、頭をよぎらないでもないでもなかったですが、やはり正攻法で車体の軽量化を図りたいと思います。となると、まず前々回ネタバレの車体のアルミ化が来るかと思います。車体をアルミニウム合金にすることで何トン軽量化できるのか。表3をご覧ください。

表3  60000系アルミ車体バージョン重量推計(単位 : t )
近鉄60000系アルミ車体バージョン重量推計

 構体(行番号1)の重量の出し方ですが「300kg×車体長(m)」としました。参考にしたのは日本アルミニウム協会という社団法人が公表している資料「平成22年度アルミニウム合金製車両生産実績」「平成23年度アルミニウム合金製車両生産実績」より「m当り構体質量」が「JR東日本E259系=325kg」、「京成電鉄AE形=314kg」、「JR西日本287系=354kg」、「小田急60000形=344kg」といった特急車両のデータです。いずれもアルミ・ダブルスキン構造で座席2列につき側窓1枚です。これを、60000系「アーバンライナー・アドバンス」では、車体長が長くても17.4m。アルミ・シングルスキン構造。座席1列につき側窓1枚。空調装置を床下に艤装。付随台車が2つ以上連続しない連接構造とすることで車端圧縮荷重が小さいこと。以上5点から補強を簡素化することが可能となり、「1mあたりの構体質量=300kg」が実現できるものとします(という設定)。

 さて注目の軸重(行番号14)ですが、最大軸重は第2台車の12.5tまで下がりました。近鉄21020系「アーバンライナー・ネクスト」の最大軸重11.5tとくらべると1.1倍。軌道破壊で1.39倍まで抑えることができました。

 とはいえ、近鉄の現有車両最重量の近鉄50000系「しまかぜ」の最大軸重12.25tより、まだ重いのはいただけません。もう一段の軽量化をめざします。表4−1をご覧ください。

表4−1  60000系アルミ車体バージョン2重量推計(単位 : t )
近鉄60000系アルミ車体バージョン2重量推計

 表3との違いは、構体と台車以外の機器の重量(行番号2~8)で、ざっくり10%軽くしたことです。これは、あまり裏づけのない数字ですが、そろそろ実用化の段階に入った、パワー素子にSiC(炭化ケイ素)を使ったインバータの採用で、VVVFインバータ装置の重量が40%低減できること。機器を入れる筐体や座席の骨材などアルミにできるものは、とことんアルミにすること。窓ガラスをポリカーボネートにすることなどなど、総合的に見て10%の軽量化は、おそらく可能だとします(あくまで「という設定」です)。

 これで、ようやく最大軸重は第247台車の11.8t。近鉄21020系の最大軸重11.5tの1.03倍。軌道破壊で1.11倍まで抑えることができました。近鉄の許容軸重の考え方や、線路保守に対する実際のところは存じませんが、軌道破壊1.11倍は、おおむね許容できる数字かと思います。

 最後に、紙幅の関係上、表2~表4−1は基本編成の重量のみの計算でしたが、念のため、付属編成の重量も確認しておきます。表4−2をご覧ください。

表4−2  60000系アルミ車体バージョン2付属編成重量推計(単位 : t )
近鉄60000系アルミ車体バージョン2付属編成重量推計

 最大軸重は第3台車の11.8tで基本編成と同じですね。

 これにて、軸重の問題は一応の決着がついたということで、次回以降は、台車のモデリング、車体傾斜、コンタのデザインあたりに向かいます。

【関連する記事】
【注意事項】
  • 実在の鉄道事業者様、関連企業様とは一切関係ございません。ただの妄想です。
【参考資料】

コメントする

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://usurausagi.usamimi.info/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/53

最近のコメント

Powered by
Movable Type Pro